8/31日羽田空港は雨でしたが富山空港は快晴でした。レンタカーに乗るのに時間を要したので、真っ直ぐに高岡の和食店に向かいお腹も満ちたので、ご機嫌で瑞龍寺に向かいました。瑞龍寺は曹洞宗の大寺で度々映画のロケ地になっています。「ラスト侍」にも「蜩の記」にも使われました。日本人にとっては懐かしい厳格さと格調の高さを兼ね備えたお寺です。私達はボランタリーガイドに従って説明を訊きながら伽藍を一周しました。
運悪く山門を始め各所で修理を実施していましたので鞘堂に隠されて伽藍の全景は観られませんでした。
瑞龍寺の総門を入った景色。山門等を解体修理中でした。山門は鞘堂が覆っていますが本来ならこんな景色です。言わんばかりにパネルが置かれていました。
山門の東側阿形の仁王像
これは中央にある仏殿で金堂に相当します。荘重な建物で二層は扇垂木初層は平行垂木で火頭(花頭とも書く)も柱の粽も禅宗様で統一されています。従って1600年代の建築でも国宝です。
此れは仏殿の内部空間、外から観た時は二階建ての様に見えましたが実際は内部に巨大な空間を作る為の意匠だったのです。此処でお経をあげれば響いて荘厳さが深まるでしょう。
此れは一番奥の建物の法堂です。この須弥壇に前田家のお位牌が祀られ法要が営まれました。真っ直ぐ南に8丁ほどの位置に前田利長の墓があります。法堂の主尊は観音様でしたが右側に木造烏蒭沙魔明王が祀られ左側は法要の主催者、前田の殿様の憩う書院風の部屋がありました。
開基は前田家二代目の前田利長です。親友のI君は前田利長の生涯とは「加賀百万石を築き兼六園や北陸文化を残した名君」と熱く語ってくれました。南原幹雄著「百万石太平記」を愛読したようです。思い返せば昨秋関ヶ原に行った時にI君は熱心に武将の配置をチェックしていました。今次の「風の盆」ツアーも前田利長が盲目の男子は按摩に女子は歌舞音曲を習わせ、独立して生きてゆけるよう熱心であったお蔭で、工芸や踊りや歌いに習熟したのでしょう。ガイドは瑞龍寺を評して貧乏寺と云いました。本意は前田家の菩提寺なので格式が高く一般人はお墓も作れないし縁遠かったの意味のようです。一般人は高岡大仏や真宗に心を寄せていたようです。それでも「瑞龍寺」と云えば「烏蒭沙魔明王」だというのです。
座禅堂の前の廊下に吊るされた木鐸。木鐸は木魚の前身で右手の小槌で叩いて合図にします。既に叩かれ過ぎてお腹の餡子が出てしまったようです。何処か富山の名物「腹黒」のように見えました。
座禅堂の横の廊下木像の烏蒭沙魔明王が祀られていました。此処は銅器の街ですから、本物を模して前仏の位置に烏蒭沙魔明王を祀ったようです。
座禅堂の前(南)に置かれた銅製の烏蒭沙魔明王、銅器の街高岡の職人さんの技です。
此れがつぶらな瞳の猪の子供鹿の子供は「バンビ」と呼んで可愛がりますが日本人は猪の子供は「うり坊」と呼んで可愛がりました。
でもこのウリ坊は法衣を着ていますからそこいらの猪の子供ではありません。
見れば明王の足許に可愛いい猪の子供がチョコンと明王の脚を見上げています。早く逃げないと踏みつぶされてしまいそうです。私達は昨年の7月遠近江の可睡斎に上って高村晴雲作の烏蒭沙魔明王を観ました。
右手に髑髏を持つ弩迫力の権現像でした。でもその足元に居たのは猪では無くて小象でした。高、特に有名な功徳は便所の清めです。
此れは昨年拝観した袋井可睡斎の烏蒭沙魔明王です。高村光雲の一番弟子高村晴雲は小象に法衣を着せました。
便所は古くから「怨霊や悪魔の出入口」と考える思想があったことから、現実的に不潔な場所であり怨霊の侵入箇所でもあった便所を、烏枢沙摩明王の炎の功徳によって清浄な場所に変えるという信仰が広まり今に伝わっています。可睡斎は秋葉様(火の神様)を祀っていますから、小象なのかもしれません、一方本来は烏枢沙摩明王は「ウリ坊」だったのでしょう。ウリ坊は人間が便をすると綺麗に掃除(食べて)してくれます。今でも、ブータンでは二階にトイレが在って1階に豚を飼っています。2階で用を足すと豚が掃除してくれる究極のエコなのです。そんな猪の習性を観察していたのでトイレの神様烏枢沙摩明王に従うのはウリ坊にしたのでしょう。
便所は古くから「怨霊や悪魔の出入口」と考える思想があったことから、現実的に不潔な場所であり怨霊の侵入箇所でもあった便所を、烏枢沙摩明王の炎の功徳によって清浄な場所に変えるという信仰が広まり今に伝わっています。可睡斎は秋葉様(火の神様)を祀っていますから、小象なのかもしれません、一方本来は烏枢沙摩明王は「ウリ坊」だったのでしょう。ウリ坊は人間が便をすると綺麗に掃除(食べて)してくれます。今でも、ブータンでは二階にトイレが在って1階に豚を飼っています。2階で用を足すと豚が掃除してくれる究極のエコなのです。そんな猪の習性を観察していたのでトイレの神様烏枢沙摩明王に従うのはウリ坊にしたのでしょう。
ウリ坊の事を考えて居たら今年の夏は「まくわ瓜」を食べて居ない事を思いだしました。というのはマクワ瓜の縞模様が子供の猪の模様にそっくりだからです。ANAホテルの朝食バイキングでメロンを食べました。「マクワ瓜」を食べて居ないなあ!思いながら。
また、下の病気や婦人科の病気からも守護してくださいます。日本では出産にあたって血の穢れを取り除く守護神として祀られていたそうです。なかなか子宝に恵まれない人を救うともされます。更には相思相愛にまでご利益があるという説もあります。
また、下の病気や婦人科の病気からも守護してくださいます。日本では出産にあたって血の穢れを取り除く守護神として祀られていたそうです。なかなか子宝に恵まれない人を救うともされます。更には相思相愛にまでご利益があるという説もあります。