1月30日、連日の寒さで家の北側に積もった雪は未だ溶けません。この調子では今週末に更に降り積もってしまうかもしれません。寒い時には辛い中華でも食べて英気を養い、序に春節を控えた中華街を散策したいと思いました。ワイフと横浜中華街に出かけました。今年の正月は初詣で呪物を視て来ましたの、ツイツイ春節の呪物に眼が行ってしまいます。
横浜中華街に貼られた春節のポスター昨年は閏月(13か月)があったので、春節は2月初めでしたが今年は2月16日に始まり3月2日までです。
横浜中華街の弁天様(お稲荷様)の媽祖廟は工事中でした。
此方は中華街のお稲荷様(商売の神様)の関帝廟です。
中華街に来たら、先ず「関帝廟」次いで「媽祖廟(まそびょう)」に詣でます。中華大通りの頭上には龍がうねっています。黄色い龍と赤い龍です。竜舞の龍は赤と白ですが、頭上の龍は赤と黄色です。流石に華僑福運と云えば「金運」を想うのでしょう。何処を視ても呪物は赤い色です。店先の赤い下着も巣鴨のとげぬき地蔵通りのそれと同じです。赤い下着は日中両国民とも厄除け効果があると思っているのでしょう。街中に魔除けの赤が散らばっています。
今年は中華大通りの頭上に龍が吊るされました。奥は赤で手前は黄色です。香港で道路は龍の通り道だから龍の邪魔にならない様に街造りをするのだ聞いたことを想い出しました。奥が北(玄武門で手前(更に右折)が朱雀門です。
上々吉の幟の掛かった中華大通りですが平日の午前中は人出もありませんでした。
万珍楼の玄関には金柑が植えられています。金柑に誘われて入店しました。まるで、ネブタのような張子の獅子が飾られていました。流石に骨は竹でも表面は絹布で出来ています。
万珍楼のロビーは春節飾りの民俗博物館状態でした。写真は中国風のネブタです。
万珍楼の玄関の金柑、我国の門松に相当する福神の依り代です。
案内板には「邪気を払い福を招く南方獅子とされていました。萬珍楼は福建省の中華料理店老舗です。
道に面して販売されていた呪物。唐辛子に赤い金魚です。他に赤い爆竹も目立ちました。
此れは萬珍楼のロビーに吊るされた赤い爆竹。中国では厄病神を追い払うのに色の他に音や味(辛味)を使うのです。そう想うと桃太郎でもかちかち山でも鬼を成敗するのに爆竹や勝栗を使っています。
人間は赤いモノを視るとギックとします。少しでも出血すると失神してしまいます。中国人も日本人も厄病神はそんな臆病な神で赤い色を怖がると思っているのでしょう。虫送りでは赤い松明を怖れて逃げ出すと考えたのでしょう。2月の中旬私は友人を誘って角館の火振り神事を視に行く予定です。火振り神事は縄の先に松明をつけて田圃に出て縄をグルグル振り回す神事です。
此れは角館の火振り神事です。写真出典角館観光協会http://common3.pref.akita.lg.jp/akitanomiryoku/detail.html?cid=6&id=163
厄病神を火で脅すか爆竹で脅すか辛味で脅すか(唐辛子)色々方法がありますが、人間の弱点を持っているのが厄病神、貧乏神であるのは面白いと思います陸奥の民話に「貧乏神」の話が数多くあります。飯田には「貧乏神神社」さえあります。
「鬼は外、福は内」は節分の呪言葉ですが、「鬼は内」と言う地方もあります。
「貧乏神」の話は大凡次の通りです。
東北の寒村に独り者がいました。働いても働いても楽な生活は出来ません、そこで「神様にお願いしました、お嫁さんが欲しい!」そんな独り者を天井裏に住んでいる「貧乏神」はセセラ笑っていました。でもある夜若い娘が雨戸を叩きました。
「難儀しています今晩泊めて下さい!」若者は喜んで泊めてあげました。娘は若者の家にズットいて生活を手助けしました。若者は前にも増して懸命に働きました。そんな若者と娘を視ていた貧乏神は天上裏で泣き出しました。
「もう私はこの家に居座る事は出来ない福の神と交代しなくてはならない」
貧乏神の泣き声に気付いた若者は天上裏に登って貧乏神に
「出て行かないで良い」諭しました。
結果、貧乏神は居座り福の神は追い返されてしまいました。
でも、二人は幸福な生活を送りました。貧乏若者にとって「福の神」とは押しかけ女房になった娘だったのでしょう。昔も今も「女房は福の神」のようです。
日本昔話「天井裏に潜んでいた貧乏神は若い二人に諭されてこの家に居座ります。結果二人は裕福にはなれなかったでしょうが幸福な生活を送れました。絵の出典日本昔話データベースhttp://nihon.syoukoukai.com/modules/stories/index.php?lid=27
春節は日本でいえばお正月です。日本は太陽暦ですが、中国人の日常生活は太陰暦がまだ根強いのでしょう。春節が過ぎれば直に春です。大体1~2月は「最も寒い季節」です。冬と春の境は太陽暦の1月1日ではなくて2月16日は妥当な感じがします。中国人は太陰暦に従って2月16日から約二週間を春節としてジックリ休暇を取り、故郷の帰って大家族と餃子や月餅を食べてお祝いするのです。
私達も餃子を食べて辛い担担麺を戴いて冬越しする事にしましょう。萬珍楼は敬遠して何時もの店に向かいました。冬越しには、「インフルエンザにО157、様々な厄病神が大手を振るのが例年です。ランチは餃子と担担麺で自己免疫力を高めました。
自己免疫力を高めそうな薬膳食材はどれも赤い(写真はクコと棗)のです。屹度赤いパンツも下半身の病除けの呪力が在るのでしょう。