政府の原子力事故調査委員会の報告が為されています。
原子力安全委員会の班 目委員長のが無視され(同氏にも責任大であったが)、
菅首相が独断専行し、現場が、官僚が、バラバラに動いて、
「まるで初めてゲームするサッカーチームのようであった」報告されました。
原子力発電には、テロも、津波も、地震も避けて通る・・・、考えていた事実は唖然とさせました。
今日の写真は小田原の報徳二宮神社です。ご神体は二宮尊徳です。小田原城内に祭られています。
宝永4年(1707)10月4日、太平洋沖を震源地として大地震が発生しました。(M8.4)
死者2万人、流失家屋2万戸、壊れた家屋11万戸と言われています。
その50日後の11月23日、富士山の南山麓6合目で大爆発し、12月8日まで続きました。
(新井白石/折炊柴の記)。宝永山が出来上がります。
噴煙は西南の季節風で運ばれ、江戸の町も火山灰に覆われます。
その後100年間、酒匂川をはじめ南関東の河川は水害に見舞われます。
と言うのは、河川に火山灰が流れ込み、底が上がってしまいました。
天井川に水害がつき物になります。
水害対策、飢饉に小田原藩の財政は破綻します。
この窮時に出現したのが、二宮尊徳でした。
尊徳の業績は別の機会にする事にして、先に進みましょう。
社殿前の梅は満開になりました。
二宮尊徳を発掘したのは明治維新政府でした。
とりわけ、小田原板橋に別邸を有した山県有朋は熱を込めて話しました。
維新国家建設の「期待される人間像」だったのでした。
また、内村鑑三(キリスト教、代表的日本人)、幸田露伴(小説、二宮尊徳翁)も執筆します。
広い層から支持され、1904年以降は修身の教材に扱われます。
とりわけ、露伴の小説の挿絵に使われた「薪を背負って本を読む姿」が二宮金次郎の姿として、
国民の間に定着しました。
この梅には沢山のメジロが集まって、それは賑やかでした。
こうした中、明治27年(1894)4月、報徳社(二宮尊徳翁の教えを慕う社団)の報徳社の総意により、
翁を御祭神として、小田原城二の丸小峰曲輪の一角に神社が創建されました。
それが、報徳二宮神社でありました。
1910年、京都の彫金師岡崎雪聲(おかざき せっせい)は二宮尊徳像を発表します。
私達の目に馴染んだ「薪を背負った金次郎」でした。
昭和3年、昭和天皇の即位式に際して、中村直吉氏はブロンズの金次郎像を1000体製作し、
全国の尋常小学校などに寄贈します。
当時尺貫法に慣れ親しんだ日本人に国際基準のメートル法に親しんでもらう事を目的に、
背の丈を1メートルにしました。
ところが、太平洋戦争も末期に、1000体の尊徳像は溶かされて、大砲等にされてしまいます。
お寺の鐘も、金次郎像も・・・・、何でも兵器に変えようとしたのでした。
現代人から見れば、狂気の沙汰で、戦争に勝てるはずありません。
早期に敗戦を認めて、国民の命を守るべきでした。
そんな狂気の時代でも、報徳二宮神社の金次郎像だけが残されました。
きっと、小田原市民の反対があったのでしょう。
修身の教科書に採用されたので、戦争世代は金次郎像に反感があるのかも知れません。
しかし、意外な事にGHQは金次郎像の撤去は求めませんでした。
昭和天皇の戦争責任を追求しないのと同じように、金次郎像は戦後日本の復旧に欠かせない、
精神的シンボルと考えたのでしょう。
期待通りに、日本人は慎ましく生活し、社会の復興に努めました。
お陰で、GDPは世界のNO2まで急成長しました。
報徳神社は学問の神様であるようです。
宝永大地震、富士山の爆発後、復旧に100年を要したように、
今回の東海原発事故や大震災の復旧には相当の年月を要す事でしょう。
でも、天災の復興には人々の心を集中させれば自ずとシナリオが出来上がり、時間を要しないようです。
一方、人災については、復興のシナリヲが書けないので・・・・・、難しいようです。
事故調査委員会の報告を聞く度に、暗然とした思いに沈みます。
日本には人材が居ない。
薪を背負った金次郎のような姿をリーダーにして、人々はその背を見て歩めば良い・・・、
臨調の土光さんが居た頃に比べればGDPは1.4倍に増えました。(1981年、増税なき財政再建)
でも、歳入は減る一方です。
国債の発行残高ばかりが加算されてきました。
このままでは、国が滅んでしまうかもしれない。
後世の世代から糾弾されたくない・・・・、
誰しも覚悟は出来ています、それを「一体改革」ネーミングはどうでも良いのです。
国民が心を一にできる改革案が望まれます。
消費税を増やすだけなら・・・・、税率が毎年のようにアップして、平民(古い言葉ですが)だけが疲弊します。
人災は心の貧弱が引き起こします。
人災の克服こそ難しいのです。
曽我梅林の中にある金次郎像(二宮尊徳の墓)
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