一昨念は6月13日に友人I君の軽井沢山荘に遊ばせてもらいました。
その時は九輪草、瑠璃草や二人静の盛りで、楽しませてもらいました。
(この時は次に書きました。 http://blogs.yahoo.co.jp/yunitake2000/45228863.html)
今年は、少し早めて5月22日に友人2人と訪れました。
今日から暫く、その二泊三日のツアーで行ったところを素材に書かせてもらいます。
山荘は中山道の姫街道にある馬取部落の近くにあります。
旧軽井沢のような趣とは異なった、自然、農業、歴史が密接に共存している、そんな別荘です。
ブナや栃、ヒマヤラ杉などの林の中に、各人が好みの家を建てています。
I君の山荘の敷地内には渓流があって、湿性植物(水芭蕉や山葵)も自生しています。
I君に言わせると、お父様は先ず第一に浅間山が噴火しても溶岩流や火山灰の被害が無い事、
そして第二に浅間山の姿が一番美しく眺められれる・・・・、そんなことから此処を選んだのだそうです。
中山道姫街道馬取の集落。I君の山荘は正面の山の右側山裾にあります。
手前右の白い花が「深山桜」です。
山荘近く「発地」の農場、向こうに浅間山が見渡せます。6月末には蛍が飛び交うそうです。
確かに山荘を下りて姫街道に出る間、浅間山の本体とその南側に小浅間が見渡せます。
夕陽は二つの山の間に沈みます。
早朝には深い霧が立ち込めます。
風が霧を吹き払って・・・・、次第次第に浅間山の全容が見え始めると・・・・、感動します。
古代から日本人は沈む夕日には阿弥陀様を、昇る朝日には大日如来を観想しました。
此処で、日輪や月輪を眺めると・・・・、その感覚が解ります。
I君のお父様は浅間山の眺めがお好きだったから此処に山荘を建てられた・・・、I君の説明に頷きます。
今が見頃の山吹草(以降も含めてI君の山荘で撮影)
I君は実にマメな人です。
山荘の庭を見れば良く解ります。
良く眼くばせして・・・・、
強い山野草が占拠して、か弱い山野草が消えてしまわないように・・・・、
山野草にさりげなく手入れをしています。
茂った葉は落して、覆った小枝は伐採して・・・・・・、山野草が喜ぶ環境を整備して・・・、
雪の下から芽吹いて、竹を伸ばして、花を咲かせる・・・・、それを息を押し殺して見守っているのです。
瑠璃草、背後の白い花は二輪草
桜草
先ず、山荘のそこかしこに咲いているのが山吹草です。
瑠璃草も、桜草も今咲き出したところです。
延齢草は白い花と朱がさしたものと二種類ありました。
マムシ草もそこかしこに咲いています。
山野草の頭上には灌木が花を咲かせています。
この季節、白い花が目立ちます。
この樹が何であるのか解りませんでした。でも、ブログにアップしたところ、
柴犬さくらさんが「アオダモ」であり、バットの素材になる木だと教えてくださいました。
これがブログの有難い所です。
手前がレンゲ躑躅 向こうの白い花がガマズミ
玄関脇に咲いているのが・・・・、何であるのか・・・、解りません。
一見するとヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)のようですが、花弁が少し大きい様な気がします。
(明治神宮外苑のなんじゃもんじゃに比べると)
I君のお父様が遺してくれた図鑑にも良く似た花はあるんですが・・・、ピッタリは見つかりません。
ガマズミも白い花です。
一見すると大手毬のようですが・・・・、
ガマズミであることは昨年の秋赤い実を付けたのを見ているので、間違いはありません。
そして、彼方此方に咲いている白い花は何なのか?
I君は山桜の仲間だろう・・・、言うのですが・・・、樹皮こそ似ていますが花弁は小さく、
真っ白ですし、第一に葉っぱが大違いです。
プラムじゃないか・・・・、梨ではないか・・・・あれや、これや議論したうえで・・・・、
お父様の図鑑で調べると「深山桜」であることが判明しました。
もう、桜は八重桜も終わったのに・・・、深山桜は1か月近く遅れて咲くのだ・・・・、初めて知りました。
学生時代、お父様の姿は見てもご挨拶だけしか出来ませんでした。
屹度私達の会話を楽しく聞いておられる事でしょう。
山野草を見詰める私達の肩越しから・・・・、
「この延齢草は・・・・・・」 「この桜草は・・・・」
息子が面倒を見てくれるから・・・、山野草は咲き続ける。
嫁も山野草を大事にしてくれる。
二人の孫娘も軽井沢には良く来てくれて・・・・、曾孫もつれてくる・・・・、
みんな、山野草が綺麗だと言って大事にしてくれる・・・・、
お父様は屹度お喜びのことでしょう。
寒咲きアヤメ(?)、それとも姫シャガ(?)
恋人は花を送ります。
保育園児の子はシロツメクサを摘んで首輪にして・・・、大好きなお母様にプレゼントします。
亡くなった人の墓前にも花を供えます。
どれも、花が美しいから・・・・、花が人の心を伝えてくれるからでしょう。
墓前の花は息子や娘が亡くなった両親やお爺ちゃんお婆ちゃんに伝える感謝のメッセージでしょう。
死んでしまったら・・・・、何も出来ない・・・、それは百も承知です。
だから・・・、生きた証を一つでも残して一生を終えたいもんだ・・・、
誰しもが思います・・・。
でも、誰しもが何も出来ずに・・・・、諦めながら息を引き取るものだ・・・、そう思っていました。
でも、こうしてI君のお父様の遺された山野草を眺めていると・・・・、
気付きました、これも生きた証であって・・・・、孫子の、世代を超えて伝えられるメッセージであるのだ・・・・、と。
大きなビルや立派な会社の株券は・・・・、必ずしも孫子に喜ばれるとは限りません。
時には(往々にして)兄弟喧嘩の火種になります。
山野草を遺すのであれば・・・・、
山野草を介して幾世代にも連綿と・・・、メッセージは伝えられて・・・・、生きた証になるもんです。
勿論、I君に、そして素敵な山野草を遺してくれたお父様に感謝して・・・・、山荘を後にしました。
延齢草、此方は白い花、朱色がさしたものもありました。
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