庭の片隅に土筆が芽を出しました。屹度三春の遊郭跡にももうじき芽を出すことでしょう。昨年親友と三春の瀧さくらを観に行って、民俗資料館に寄った処三春には遊郭が在った事を知りました。博物館員に訊いてその崩れかかった遊郭を観て帰りました。三春駒と呼ばれる大人しく頑張り屋の馬を売りに近隣農家が三春に遣って来て。馬を売って小金を手にするとツイツイ遊郭に寄ってしまったのだそうです。
これは三春の庚申坂の遊郭群。既に廃墟にならんとしています。三春で開かれる馬市で馬を売った帰路で遊んだので一時は栄えたそうです。次に書きました。http://blogs.yahoo.co.jp/yunitake2000/49281224.html
”「男」という動物は何時の時代も何処でも情けないモノなのだ”しみじみ想ったものでした。
馬糞の匂いの浸みた農夫は屹度遊女にゾンザイに扱われた事でしょう。遊女にすれば「こんなところでお金を使ってしまわないで。真っ直ぐに帰りなさい」そんな気持ちも在ったでしょう。軽く扱われた馬っ子は捨て台詞を吐いて木戸を後にします「この土手南瓜二度と来るものか!」
遊女は返し言葉します。
「なにをホザクかこの土筆坊!二度と来るんじゃないよ!叫んで木戸に盛った塩を放り投げます。
傍らの土筆は驚いて坊主頭をひっこめます。
これが土筆です。日本人は良くぞ土の筆なんて字を宛てたものだと感心します。土筆はスギナの生殖器「花」ですし。童貞が経験する事を「筆を下すとも言います。これも色町の文化でしょうか?写真は矢張り三春の小沢の桜です。この桜は三春での「田植桜」もう少し阿武隈高原に入ると「/馬酔木沢の苗代桜」もありましたです。
土筆が芽を出したのですからもう辛夷も咲き出したに違いありません。私はワイフを誘って東俣野の鎌倉古道に行く事にしました。東俣野の鎌倉古道は鎌倉と町田までは境川の河岸段丘に沿って北上し。町田の先は多摩川沿いに府中の分倍河原から上州を結ぶ中世の軍用道路です。幕府は幕府防衛の為に整備したのでしたが。幕府が反感を靠れると新田義貞はこの古道を南下してきて幕府の息の根を止めました。室町時代には豪族が割拠して。 俣野五郎景平 が遊行寺を創建しました。遊行寺の本堂の東側「俣野権現」が祀られてています。そんな次第で俣野には小栗判官物語の史蹟が多く残されています。古道に沿っては石仏も多いし樹木も生い茂っているのです。
これが遊行寺の開山である俣野五郎景平 を祀った俣野大権現です。周囲はシャガと山吹が自生しています。ピンクの花弁は杏の落花です。
春の先駆けを探しに古道を歩くのは楽しい事です。3月10日みバスに乗って国道1号線の影取で降りました。バス停の前後には薄紫の辛夷が街路樹に植えられています。既に満開でした。
国道1号線影取の辺りには辛夷が街路樹に選定されています。この辺りは地建の戸塚土木の管轄です。それが藤沢に入ると百日紅に変わります。排気ガスに強い病中害に強いという他に美しいとか、地域の歴史や文化に馴染んでいること等も選定基準になっているのでしょうか?
此方は上の辛夷のアップ、心なしか紫が入っていました。
此方は農家の庭先に咲いた辛夷の大木赤紫が一層濃くムクドリが花弁を食べていました。
東俣野小学校の正門を降りて、介護付老人ホーム「ツクイ・サンシャイン横浜戸塚」の前を過ぎて東俣野公園に向かいます。公園の隣は「俣野園」と云う名の植木屋さんです。(私はそう思っていますが違うかもしれません。悠々自適な植物園です)俣野園さんの園内に大きな辛夷が三、四本自生しているのでそれが今日の一番のお目当てです。
ワイフは無人の野菜販売所で一束50円のほうれん草を2つ買いました。丁度俣野小学校の生徒が集団で歩いて来ました。「今日は!」青空に響くような声で挨拶してくれます。負けまいと腹から挨拶を返しました。先生は最後尾を歩いて来られたのでしたが。教え子の挨拶が立派なので嬉しそうでした。実は家に戻って地域紙を観て知ったのですが東俣野小学校はこの3月で廃校になって近くの汲沢小学校に吸収されるのだそうです。屹度先生と生徒と相談して「今日はお天気も良いので境川の堰堤をお散歩しよう!」そんなルンルンな時に私達老人夫婦が法蓮草を飼っているのを目撃したのでしょう。
これは俣野園さんの庭の辛夷の大木です。千正男さんの歌う「雪国の春」のような、堀辰夫の「信濃路・大和路」で書かれたような真っ白い辛夷です。未だ咲き始めで来週末が見頃でしょう。
東俣野公園に近づきました。期待通りに辛夷が咲き出しています。何時も辛夷を眺める位置には小さな園児がビニールを敷いてリュックからお弁当を取り出しています。春の遠足にしては未だ早いのに、思って眺めました。
此方は東俣野公園の芝生の上にビニールを敷いてお弁当にしようとしている小さな子。私は幼稚園児と思ったのですが帰宅して地域紙を観た結果この子たちは矢張り東俣野小学校の低学年生と確信しました。想いで作りに東俣野公園に遠足に来たのでしょう。何しろ遠足のお楽しみの一番はお弁当ですから。
東俣野公園でお弁当を広げようとしている生徒達。その向こうには辛夷が咲いています。
戸塚区東俣野地区は郊外住宅地とにして発展すると期待して東俣野小学校を開校したのでしょう。でもJR戸塚駅にも藤沢駅にも時間距離がありすぎる。戸塚駅も藤沢駅も駅近くの渋滞が酷くて出勤に不便なのが致命的な