サラリーマン時代、成田空港の東はどうなっているのか?少し興味がありました。
空港開港に伴って、芝山鉄道(三セク)の補償問題も生じていました。
でも、一度も出かけた事はありませんでした。
成田に戻る飛行機の窓から地上を見ました。
九十九里の海岸線が見えると着陸態勢に入ります。
広く、整然と耕された水田が広がっています。
川(栗山川)が蛇行して流れています。
あの川には鮭が遡上してくるのか・・・・!
日本の風土が美しく、恵まれている事を実感しました。
あの水田の中に、台地があって、其処が坂田城があったのでした。
坂田城が何時ごろ誰が築城したか?諸説あるようですが、
14世紀の中ごろには千葉氏が居城にしていました。
その後、三谷・井田両氏の居城となり、井田氏は千葉氏の支配下に入りました。
小田原北条氏が勢力を伸ばすと井田氏は北条氏の配下になります。
実益を重んじ、典型的な「戦国国土豪」に成長します。
しかし、天正18年(1590年)に豊臣秀吉の小田原攻めに続いて、追討軍を上総に派遣します。
坂田城はこのために落城しました。
中世の城としては、我が家の近くにも「玉縄城」「小机城」「大庭城」など数多く残されていますが・・・・、
殆んど似たような変遷をたどっていますし、平地の中の山城として似た形をしています。
でも坂田城はずば抜けて大きく、保存状態も優れているのです。
長い舌のような台地は杉林などで囲まれています。
山林の中には「曲輪」「土塁」「空掘」などの遺稿が確認されます。
遊歩道が整備されていますので・・・・・、散策しながら巨大な中世の城山跡を見ることができます。
急な坂道を登って、その上が坂田城です。
本丸虎口付近の堀。高い土塁と堀が複雑に廻っています。その向うに梅林が広がっています。
建物も石垣もありません。本丸跡は痩せこけた杉林です。
近世の城郭が軍略上の要衝であると同時に、藩主の住まいであり、力や権威の象徴であり、行政の拠点でありました。
中世のお城は、いざ、戦いと言う時に兵(普段は農夫)が終結し、拠点として戦う・・・・、役割に徹していました。
坂田城は南に行けば下総、北に行けば利根川から鹿島、常陸に続く要衝の地でした。
巨大な山城を築城し、何度も主がチェンジした歴史も解る気がします。
此処に、千葉県最大と言われる梅林(坂田城跡梅林)があります。
梅林の所有者は「坂田城跡梅林組合」だそうで、
梅酒や梅干などの梅を栽培しているのです。
南高梅のような実梅なのです。
植林したのは戦後で、樹齢50歳の白梅1500本が咲き誇っています。
どの木も今が樹勢の盛りです。
病虫害の気配も無く、幹に腐りも、葉に錆病も無く・・・・、どの枝先にも沢山の花をつけています。
梅の実を手捥ぎする為に、枝は上に伸ばさず横に伸ばしています。
自ずと、盆栽のような形になります。(盆栽の方が美しい梅の形にしたのでしょうが)
一本一本が、逞しく育って、大きく健康な梅の実を沢山結実させるのでしょう。
梅林の所有者にとっては、1本1本の梅の木が頼もしい兵隊のように見えることでしょう。
1500人(本)の精鋭ぞろいの坂田城梅林です。
梅林の根元には・・・・、麦畑があり、ビニールハウスではスイカが育っているのでしょう。
其処此処に蜜箱が置かれています。
様々な命が伴に育つので、梅の実も収穫が多くなるのでしょう。
白梅の蜂蜜・・・、どんな味で・・・、白梅の香りがするのでしょうか?
梅林の向うに空堀があって、その先に土塁が巡らされて・・・・、本丸をガードしています。
梅林の足元のビニールハウスはスイカでしょう。手前は麦畑です。こうした混植が健康な農作物、梅を 実を収穫させるのだと思います。田園の梅林の魅力です。
梅林の中を遊歩道、(耕作用道路)が巡っています。3月18日6部咲きでした。
もう梅祭りは3月11日に終了してしまいました。今週末が最高の見頃でしょう。
遊歩道脇で梅干などを販売する農婦。梅林の樹下に点々と置かれている箱が養蜂の蜜箱。
これで約50年長の梅の木。
鎌倉の梅の木は「梅の木苔」がびっしり付いていますが・・・、此処の木には苔が付いていません。
きっと樹が健康で、環境が良いからでしょう。
戦後の短い期間でこれだけ見事な梅林が出来あがりました。
公園の綺麗な梅の花も良いのですが・・・・、何処かに空しさがあります。
矢張り、梅は梅の実が収穫できてこそ梅の花です。
中世の武士も、何時もは鍬や鋤を手にしていました。
いざと言う時・・・、鍬や鋤を刀や槍に持ち替えて故郷を守るために立ち上がりました。
そんな、武士の面影を留める様な・・・・、素晴らしい白梅です。
これは藤沢新林公園の梅林。遅咲きの「おもいのまま」も満開になりました。
花梅には滅多に梅の実はなりません。花を綺麗に見せる為にも・・・・・、普通の樹形に育ててありま す。一方、実梅は収穫作業の為無理して枝を横に伸ばして、上には伸ばしません。
どちらが美しいか?
人好みは様々ですが、私は「梅の木」は横に伸ばした方が美しいと思います。
人為(剪定など)と自然(梅の木が大きく成長しようとする力)のバランスが見事な梅の木を育てる・・・、 と思うからです。
坂田城跡の梅林も2年手を加えないと、猛烈に徒長枝が伸びて、樹形は乱れて、幹が傷んでしまい ます。
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