街に里山に「合歓の木/ねむのき」の花が目立つ季節になりました。
毎年七夕の季節になると、合歓の花が咲き出します。
流し雛で有名な鳥取では七夕に「合歓流し/ねむながし」が行われます。
合歓の木の枝と大豆の葉を川に流して、 邪気をはらうのです。
薄紅の、化粧用の刷毛(はけ)のような花が、空に向かって咲いています。
夏を歓迎して讃歌を歌っている様に思えます。
合歓の花を観に葉山の小安に行きました。
今が盛りの合歓の花。これから8月いっぱい咲きますが一番花の咲く今頃が一番綺麗です。
羽根毛のように見えるのは雄蕊です。
撫子ジャパンがワールドカップで優勝した時のお祝いが何故か化粧用の羽根毛でした。
合歓の花を髣髴させます。(写真は楽天のサイトから転載)
湘南国際村の裏(南)側に小安通りがあります。
湘南国際村と海岸通りを結ぶ新しい道です。
道の両側の分譲地は未だ買い手がつかず、ススキが生えています。
そんな土地に大楠山から合歓の種が飛んで来て、自生したものでしょう。
未だ、若木ですが道路端に数本花をつけています。
高台の上が湘南国際村の個人住宅ゾーン、手前が事業用地。事業用地(研修・研究用施設用地)は買い手が つきません。その都市計画道路脇に合歓の木が自生しています。
状況から三井不動産が植樹したものではありません。大楠山から種が飛んで来て自生したものでしょう。
坂を下って、トンネルを越せば海岸通りに出ます。この辺りが子安海岸です。
子安通と海岸通りの交差点。道路の向こう側は断崖で子安浜に降りられます。
沢山のワンちゃんを連れているのは・・・・、預かっているものでしょう。
湘南国際村ではこんなサービス事業もあるようです。
合歓の木、漢字を見れば、「夫婦和合の樹」ということになります。
私の若いころ、伊勢志摩に「合歓の郷ホテル&リゾート」が出来ました。
結婚式場もあり、新婚さんには人気のリゾートでした。
花の姿が良いから・・・・、それとも夜になると葉を閉じて寝てしまうから・・・・、
夫婦和合の樹になったのでしょうか?
いずれにしても、花や葉の優しい姿が・・・・夫婦がお互いを思いやる・・・・、
連想させて「合歓」の名や字があてはめられたのでしょう。
「合歓の木」と言うと私の世代は美智子妃殿下が少女(15歳)の時作られた「合歓の木の子守唄」を思い出します。
懐かしさからYOU-TUBEで聞いてみようと・・・・ネットで検索しました。
昔は吉永小百合さんや鮫島百合子さんの歌が聞こえたんですが・・・・、
代わって外人さんが歌っていて、リスナーの評価も英語ばかりでした。
I love this song.
This song is writen the lyrics by our Empress Michiko when she was 15 years old.
I respect our Empress,her beautiful and avuncular mind.
This is a beautiful lullaby.
と好評です。
この歌は、秋篠宮殿下ご誕生をお祝いしてレコード化されました。
海岸通りに面して子産石(こうみいし)が祀られています。子宝を授かる、安産を祈願する神聖な石です。
子を授かるように、安産であるように祈願します。その時子産石の前の小石を預かります。
大願成就したら…、お礼参りに・・・・、子安の海に出て新しい小石を届けます。
この石だらけの海が子安の海です。この海岸の小石をお礼参りに使います。
小安の里の謂れは「小産石/こうみいし」があるからでしょう。
海岸通りに面したスープカレー屋さんの駐車場に小産石が祀られています。
丸い石で、妊婦さんの膨らんだお腹を思わせます。
この丸い石が霊験があって、触れば安産なんだそうです。
勿論、子供の無い人は授かる事が出来ます。
近くには子安地蔵尊も祀られています。
妊婦さんは、小安石の前にある小石を拾って・・・・、出産時握っています。
すると、丸い子をスルッと安産することができるそうです。
出産のお礼には子安海岸で新しい石を拾って、小安石にお供えします。
その小石がまた次に妊婦さんに握られる仕組みです。
小安は合歓の花に相応しい里といえるでしょう。
梅雨の晴れ間、良い海風が吹いてきて、合歓の羽根毛も葉っぱも気持ちよさそうに揺れていました。
向こうの尾根が大楠山になります。
最後に拙い作品をお見せします。
【小安の合歓の花に寄せて/連作】
次々に 合歓の花々 咲き出でて
追憶の彼方の 悔恨を呼ぶ
しがらみを 千切りて流す 合歓の花
五月雨の波間を 浮きつ沈みつ
悔恨も 恥辱も総て 花に託け(あずけ)
大海原の水底(そこ) 補陀落(ふだらく※)に届けん
水無月の風 心の飢餓を 癒さんと
合歓の花をば 揺らして行けり
愛憎の 修羅を燃やした 合歓の花
昔も今も 変わらず咲けり
合歓の花 紅く淡く輝きけれど
やがて消えゆく 野分立つ頃
昨日が今日 今日は明日へと 移りゆく
花の命も 果かなしけり
終の日は いずれ来ん事 確かなり
今は暫しの 季節(とき)を 生きんか
※ 補陀落とは海の底にあるという観音菩薩の浄土の事です。
古来熊野の海は補陀落と呼ばれ、多くの人が入水しました。これを補陀落渡海といいます。
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